ラジオ

世間に流れる音が大き過ぎて大切な声が聞こえなくなる。 


もっと必要な声を聞きたいのに、この世界には不必要な音がたくさん流れ過ぎている。 


聞きたい声だけ聞けるように、街のどこかにラジオのボリュームのつまみみたいなものがあれば良いのに。

もっともっと自分の進みたいところまで速く走りたいのに、嫌な音が身体中にまとわり付いて脚がだんだん重たくなってしまう。 

街に流れる乾いた音では自分の胸には届かない。


なんなんだろう。この世界は。 


もっともっと必要な声を聞いていたいのに大切な声が聞こえない。